上地流空手道 — 歴史・精神・根本理念
序文
上地流空手道は、沖縄の武士(ぶし)の精神と、中国南派拳法の伝統が融合して生まれた、極めて実践的かつ精神性の高い武道です。
本ページでは、上地流の歴史と核心を、歴代の名師範の言葉とともに紹介します。
起源 — 上地完文と虎・鶴・龍の系譜
上地流の源流は、上地完文(うえち かんぶん/1877–1948) が若くして中国・福州に渡り、パンガイヌーン(半硬半軟) を修行したことから始まります。
パンガイヌーン拳法は、
- 近接距離での攻防
- 爆発的な発勁
- 自然な呼吸と身体操作
- “半硬半軟” の原理
を特徴とする武術体系です。

上地流の源流は、上地完文(1877–1948) が若くして中国・福州に渡り、パンガイヌーン(半硬半軟) を修行したことから始まります。
パンガイヌーン拳法は、
- 近接距離での攻防
- 爆発的な発勁
- 自然な呼吸と身体操作
- “半硬半軟” の原理を特徴とする武術体系です。
帰国後、完文師は三大基本型(サンチン・セイサン・サンセイルー)を中心とした、簡潔でありながら極めて奥深い体系を弟子たちに伝えました。この三型こそが現代上地流の礎です。
現代上地流の確立 — 上地完英
完文師の子である 上地完英(うえち かんえい/1911–1991) は、父の遺した技を体系化し、稽古法の整理・追加型の創案などを行い、上地流を一つの総合武道として完成させました。
完英先生は、身体・精神・品性をともに鍛える「道」としての空手を重視し、その教えは現代の上地流に深く息づいています。
沖縄から世界へ — 友寄隆宏とジョージ・マットソン
沖縄から世界へ上地流を広める上で重要な役割を果たしたのが、友寄隆宏(ともよせ りゅうこう/1929–2017) 師です。その教えを受けてアメリカで上地流を広めたのが、ジョージ・マットソン先生です。
彼らの尽力により、上地流は世界的な武道へと発展していきました。

現代の継承者たち — 麗野莉雄念 (Lionel Reynaud)
今日、多くの指導者たちが「古の教え」を守りながら、現代の修行者に適した形で上地流を伝えています。
麗野莉雄念先生は、上地流の歴史研究と教育法に取り組み、世界各地で指導・発信を続ける現代世代の代表的存在です。
彼の活動は、沖縄の伝統と世界の修行者をつなぐ架け橋となっています。

上地流の根本理念
半硬半軟(パンガイヌーン)の原理
上地流の中心は「半硬半軟」。
- 硬:筋力、鍛錬、瞬発力
- 軟:流動性、自然体、呼吸の一致
この相反する力を調和させ、必要に応じて自在に使い分けます。
サンチン — すべての基礎
サンチンは型であると同時に、上地流の「心身の設計図」。
- 姿勢
- 呼吸法
- 体幹の使い方
- 精神集中
これらすべてを統合する最重要の稽古です。
近接戦の効率性
上地流は、自然体の身体操作による実用性を重視します。
- 円の受け
- 近距離の鋭い攻撃
- 鍛え抜かれた四肢
- 連続した流れ
これらが上地流の特徴です。
心技体の統一
技術のみならず、倫理観を一致させることで、空手は「道(みち)」として完成します。
上地流空手道は、上地完文・完英の時代から、友寄隆宏、ジョージ・マットソン、そして現代の指導者たちへと脈々と受け継がれてきました。
その伝統は、時代を越えて世界中の修行者を魅了し続けています。
その根底にある想いは、今も変わりません。